民対活動記録(京都市営・修学院保育所は平成31年度に民間移管予定。保護者たちの活動記録です)

京都市営修学院保育所が平成30年度に民間移管することに対しての、保護者たちの活動記録です。

民対ニュースvol.7 岩屋福祉会による説明会記録

●平成30年度の行事について保育所からの説明を聞きました。  

●岩屋福祉会による第二回の説明会を実施しました。

 

228日(水)、所長・副所長から父母の会及び民営化対策委員に対し、平成30年度の行事について説明がありました。その中で、幼児のプールの日程は平成29年度より延ばし平成28年度並までもどすこと、平成31年度以降の行事については三者協議会で合意されれば平成30年度よりも拡大することが可能であることを確認しました。また、27日(水)には、岩屋福祉会による第二回の説明会が実施されましたので、その書記録を一緒に配付いたします。

 

2018年2月7日 第二回岩屋福祉会による説明会記録

 

民営化対策委員より今後の流れや検討事項について説明

民営化の流れを再確認します。今年の6月から9月は週1回、10月以降は主任の先生が週5日修学院保育所に来られます。平成311月から3月までは各クラス、岩屋福祉会の先生が一人ずつ来て修学院保育所の保育を一緒にします。

そして、平成314月に民営化となり、4月以降しばらくは各クラスに市営の先生が一人ずつ残った状態で共同保育となります。

 

次に、今後父母の会で決めておかないといけないことがいくつかありますので、それについて説明します。お配りした資料をご確認ください。半分に切って意見や質問を書いて提出できる形にしています。

まず、駐車スペースの件ですが、岩屋福祉会からは修学院保育所に駐車スペースが不足しているということから、駐車場を3台程度借りたらどうかと提案されています。その費用は岩屋福祉会と父母の会が半分ずつ負担することでどうかと提案されているので、今後、意見集約をしたうえで父母の会総会にかける予定です。

次に、保育所名については「修学院保育園」となる予定です。これについては民営化対策委員としては特に反対意見はありません。反対意見が多ければ検討しますので、ご意見をください。

次に行事についてです。行事をまとめた一覧も配布していますのでご覧ください。ここ数年で行事が減ってきていることが分かります。民営化に当たり、平成30年度をもとに平成31年度の行事が決まることとなっているため平成30年度の行事については今後保育所京都市と協議することとなっています。また、平成31年度の行事については三者協議会で決めていくこととなります。こちらについても、ご意見をください。

その下の看護師の件については、本日、室田先生からご説明があると思います。また、布団については、やや複雑なので、岩屋福祉会にもう少し現状を分かってもらってから検討することとなります。

 

 今日の説明会ですが、今日は全て質問に対する回答の形式で行きます。室田先生に、事前にいただいた質問にまずお答えいただき、あとは会場にいる方から自由にご質問いただければと思います。

 

岩屋福祉会 室田理事長より事前に預かった質問に対する回答

(質問)アカンパニの行事に眼科検診、耳鼻科検診がないが、これは民営化後の修学院保育所では実施されるのか。⇒現在、岩屋ではできていません。ただ、民間移管の条件でこれらはしないといけないことになっているので必ずやります。ただ、回数は減るかもしれません。

 

(質問)岩屋では休園日は何日あるか

市営保育所も民間保育所も休園日は原則同じです。岩屋福祉会では春休み、夏休みはありません。あとはカレンダーどおり。お盆休みや年度替えの際の休みはありません。

 

(質問)お弁当持参の日は何日あるか

運動会の日は、3~5歳は午前中に終わるので、終わった後にお弁当を食べてもらっても良いことにしています。乳児の運動会は別の日にやりますが、お弁当については同様です。秋の遠足のみお弁当が必ず必要になります。

よって、お弁当持参の日は年に1回です。全国的には、子どもたちがお弁当を楽しみにしているので、月一でやっているところもありますが、今の岩屋では年1回です。ただし、年1回の本館ゴキブリ駆除の土曜日に出席の場合は厨房が使えないのでお弁当をお願いしています。

 

(質問)他の保育園(民営化した園)との情報交換はしているか

基本的にはしていません。錦林の所長は知人なので聞けば教えてくれると思います。

大原野こども園(岩屋より一年早く民間移管を引き受けた法人)の櫛引先生とも知人なので、いつでも聞けます。ただし、候補者のうちは聞いてはいけないという条件だったので聞いていません。

 

(質問)現在通っている子どもたちにとっては大きな変化になる。どういう対応をするつもりか教えて欲しい。

前回の説明会と同じような話になります。何度か私たちが修学院保育所を見学に来た際の話などです。

来年の13月の3カ月の間に良い関係を作り、子ども達の不安を取り除くような良い関係を築きたいと思っています。

それと、家庭訪問をさせていただきたいと思っています。まだ京都市に聞いていないので何とも言えませんが、やってマイナスになることはないと思うので、できるだけやりたいと考えています。三者協議会や保護者の許可が必要ですが、民間移管する前の平成31年の13月に家庭訪問ができれば良いと考えています。

 

(質問)建物の改修を考えておられるとのこと。具体的にはどこをどういう風に考えていますか。

具体的な改修計画は現段階では何もありません。とりあえず1年間は同じ保育をしてみて、どこか改修する必要があるか、また予算的にどの程度余裕があるかを見てから考えます。ただ、各保育室が広くはないので手を入れたいという構想はあります。ただ、勝手に決めることは絶対にしません。必ず保護者の皆さんに相談します。

 

(質問)保育士は新卒中心になるのか

今決まっているクラス担任の保育士について説明します。経験年数は今年度です。修学院への異動時は2年加算してください。

・5歳児クラス:男性(保育士経験13年)

・4歳児クラス:女性(保育士経験6年程度)

・3歳児クラス:男性(保育士経験10年以上)+新卒(4大卒)

・3~5歳に1人常勤のフリーをおきます。忙しいようであれば主任も保育に入ります。

今の修学院保育所のように全クラス2人の担任をおくことは民間園では無理です。

・2歳児クラス:(保育士経験20年)+(保育士経験2年)+非常勤1名

・1歳児クラス:男性(保育士経験12年程度)+新卒1名+非常勤1

・0歳児クラス:前田先生(保育士経験9年程度)+新卒1名+非常勤1

この9人に1人フリー(京都芸大の油絵科卒であり、美術の先生兼務)をおきます

今のところ、男性保育士は3名(室田先生を入れると4名)です。修学院保育所への配属が決まっている全部で15名(今のところ)のうち、全くの新卒は4名だけです。

 

修学院保育所の移管の引き受けが決まってから1ヶ月の間に12名の採用が決まりました。最近は、京都市内の短大からの応募が殆どなくなっています。ここ1213年は岩屋福祉会では求人を出していませんでしたが、新卒をとるのは現在非常に難しい状況になっています。そのような中で、これだけの保育士が確保できたのは画期的なことだと思います。

保育の質は、経験年数とある程度比例するのに、今の保育の制度は8年ぐらいで保育士を入れ替えないといけないような給与しか配分されない。このような制度には非常に憤りを感じます。

「保育園落ちた日本死ね」で保育士の給与を4万円上げたということになっていますが、実際には3分の1の職員にしか4万円はされません。職員給与全体がベースアップされたわけではありませんから、岩屋の場合は給与テーブルをかえました。ボーナスは国の基準では34ヶ月となっていますが、2ヶ月分を下回るかもしれません。会計事務所からは、人件費は総収入の79%までとするよう言われています。公立と民間でここの部分では差が出てくるのは認めます。これを認めたうえで頑張りたいと思います。

 

 

以下は会場からの質問に回答

(質問)保育の質についてです。今の保育所では、一人ひとりの子どもへのとても丁寧な対応を今はしてもらっています。今の先生方は質が高いと思っています。岩屋こども園アカンパニの見学に行ってみて、ハード面や園長の考え方名とはとても良いと思ったが、職員のモチベーションはどのように上げていこうと思っていますか。

今の修学院保育所と同じか、1人少ない保育士を配置することになります。ただし、公立の保育士は1時間しっかり休み、食事も子どもと別にとっています。今の岩屋では休憩は特になし。工夫しながら休みをちょっとだけ取っている。昼食も子どもと一緒に食べるという状況でやっています。

保育士が少ないから質が落ちるということにはならないようにします。

また、民間園は転勤がないので、一旦保育の仕方を覚えればずっとそのままできます。民間は良くも悪くも園長の方針に従って同じ方向を向いて保育をするので、質は高く保つことができます。

岩屋こども園アカンパニの職員の定着率は非常に高いです。同僚同士の仲が良いと言えます。その証拠にわが子をみんな自分の園に預けています。これは同僚を信頼していないとできないことです。

 

(質問)0歳の小さいころから子どもを預かってもらっていて、大変感謝しています。最近いろいろな言葉が出てきました。今の保育士は成長の過程をとても細やかに教えてくれているので、これはとても有難いことだと思っています。この度、先生方が全員変わると、その子どもの小さい頃のことは分からない。そういう点をカバーできるように個人レベルの引継ぎがあるとよいなと思います。大変でしょうが、そういうことができますか。

今言われたことは岩屋でも起こりえます。おっしゃることはとても大事だが、個人レベルの引継ぎが完全にはできないということは、移管に伴う大きなデメリットと認めざるを得ません。

今の子どもたちと早く仲良くなるということはします。あとは、今の保育をどういう風にしているか、それをどう引継ぐかによってくるので、まだよく分かりません。

岩屋では、入園した時から年長までの記録を小学校に出しています。一般的には年長の時の記録だけを渡すことで良しとしていますが、岩屋ではそれ以上のことができています。

公立でたまった子ども達の情報をどのようにいただけるかは、まだ良く分かりません。

 

(質問)いろんな家庭の事情で預かってもらう中で、うちは私の病気を理由に預かってもらっています。自分が入院中に預かってもらったりもしました。アレルギーとか子どもの障害とか、親の病気などはどのように対応されているんですか。民間園では、親が怪我をしていてもなかなか入れてくれなかったり、どうしてもベビーカーで来ざるをえないのにそれを断られるなどの例を聞いたことがありますが、民営化後はどういう風になるのでしょうか。

園に入園できるかどうかは、完全なポイント制なので本来はそんな風に入園者を選ぶことはできません。そういうことをしている園もありますが、私はそういうことは絶対にしません。様々な家庭の事情に対して、園が勝手に入園をお断りすることはありません。

それから、送迎に関してもベビーカーがダメなどということも決してありません。むしろベビーカーを園においていってもいいようにしています。

 

(質問)公立では全体への連絡がメールで行くことはないが、岩屋ではどうやっているか。

年間行事は4/11年間の予定が配られて基本的にはかわりませんので、行事ごとの連絡は特にしません。運動会の中止の場合など、緊急の場合は保護者に一斉メールを送っています。また、HPでも連絡しています。メールも送りっぱなしではなく受信確認をしているので、メールを見ていない人には直接電話して伝えています。よって、必ず連絡がいくようにしています。暴風警報などの連絡も一緒です。クラス別に、インフルエンザの子が出た場合は全部連絡しています。

 

(質問)岩屋こども園では誕生日会を月に2回しているとのことですが、修学院では毎日やっていますが、移管後も毎日できますか。

岩屋の場合は人数が多いので個別対応が難しく、決まった日にやっています。もし、今の修学院のようなやり方が良ければ、要望が多ければやれると思います。ただ、今の時点でお約束はできません。三者協議会で決めます。参考までに、岩屋こども園アカンパニでは、誕生祭(神社でお祓いを受ける)と誕生会(クラスごとに誕生月の子どもを祝う)があるので、月2回だと思われたのだと思いますが、誕生会としては1回です。

 

(質問)岩屋では広い環境でやっているので、環境が良くそれがいい点だと思いますが、修学院ではどのように岩屋のやり方(芸術とか自然とか)を反映させようとしていますか。

人間にとって自然はとても大事なことだけど、子どもにとっての自然とは風光明美なものではなく、自分たちが身体を使って遊んだり、木切れとか葉っぱがふんだんに落ちているというのが大事な自然だと思います。

今の修学院も園庭があり、十分にそういう自然はあるし十分に遊んでいると思います。

横浜などでは全然園庭がなく、子どもに必要な自然がないところも多々あります。修学院保育所はそんなことはないので、そんなに心配していません。

また、鷺の森神社の神主の弟とは知り合いなので、鷺の森神社で遊ばせてもらったり、お金が許せば20人乗りぐらいのバスを買って、ちょっと離れたところに遊びに行くこともできると思います。

おままごとも屋外でやった方が、とても幅広く展開していきます。葉っぱなどでやった方がよっぽど想像力を発達させます。また、同じことをしていても戸外では喧嘩になりにくいです。それは自然の持っている力だと思います。

 

(質問)異年齢保育を取り入れている理由。

修学院保育所を見学した際に「文字は○○お兄ちゃんに教えてもらった」という話をききました。修学院は非常に家庭的で、家族のようにやっているので、特に異年齢保育は不要かもしれません。岩屋では人数が多く、接する子どもが限定的になってしまうので、異年齢を取り入れたかったのです。

それと、45歳を一つのクラスにすることで、二人担任にすることができます。担任同士が非常に協力し合った場合に、子ども達の人間関係も密になります。20年近くやってきてとてもよかったと思っています。

岩屋では異年齢保育をしたかったというよりも、多様な人間関係を結んでほしかったという思いがきっかけです。一番の理由は多くの家庭が核家族化しているので、多様な人格と振りあってほしかったこと。修学院は人数が少ないため、自然とそれができているのではないかと思います。また、異年齢交流は簡単にできると思います。

 

(質問)乳児の保育について教えてください。

その子の育ちに応じて進級させるようなことをしています。まだ、本当は0歳児クラスなのだけど、小さい子がたくさん入ってきたら、数か月先に1歳児クラスに入れたりする。その際は先生も一緒に進級するので子どもは安心です。ただ、修学院は人数が少ないので同じようにはできないかもしれません。

一斉に何かをするということは殆どありません。いくつかの遊び場があり、そこで遊ぶようにしています。言葉が多少発達してきても、大人がその子の気持ちをくみ取って活動しないといけません。一斉にお散歩とか一斉に寝なさいということは殆どないです。修学院でもそうなっていると思います。

 

食べる、排泄、寝る、脱いだり着たり、衛生に気をつけるという、五つの要望があります。これが子どもが習得したいこととされています。ただし、発達の順序は子どもによって全然違います。個別対応した方が早く習得していくので、そのように対応しています。

お座りできたら絵具で絵を書かせたりするなど、身体を使って表現したことをくみ取ってやります。小さい子に絵具を持たせるととても長い時間楽しんでいます。自分の中に溜まっているものを発散しているのだなと非常に感じます。だから、美術講師を置いたりしています。いい絵をかかせたいのではなく、誰にだってある表現の欲求を満たしてあげようとしています。

 

看護師の件について、室田先生から説明

岩屋こども園アカンパニの看護師の給与は16時間で時給1,600円。これと同じ額だとして、半額を園が負担したとして、保護者負担分が約100万円となるため、子ども一人につき1,000/月の負担がだいたい発生します。岩屋の看護師の仕事は以下のとおりです。

・頭ジラミの定期的なチェック。AEDのチェック。

・怪我の対応。受診するかどうかの判断。タクシーでの病院送迎の付き添い。

・健康診断の際に立会い、記録を取ったり、保護者への手紙を書いたりしてもらう。

これらを担任がするとなると、その分保育ができなくなるので看護師の存在は貴重です。岩屋では、今さら看護師なしではやっていけないぐらい、貴重な存在です。

それと、障害児がどれだけ在園されるかにもよると思います。

 

 

 

2018.3.20

修学院保育所父母の会 民営化対策委員会作成